極楽浄土は正式には「西方極楽浄土」と言います。経典には、西の方角のはるか彼方にあると説かれています。時々、極楽が見えたらいいのに、と思います。見ることができたら、誰もが信じられるからです。
お釈迦様は35歳で悟りの境地に到達されました。それ以降お釈迦様は悩みを抱え、救いを求めて訪れる人々に対して、様々な方法で正しいものの見方や考え方を伝えていかれました。また、悟りの境地に達するための正しい修行も教えておられたのです。ただ、修行といっても苦しいものばかりではなく、その人に合った修行を教えておられたのです。そんなお釈迦様が危惧されていたことがあります。それは、自分がこの世を去った後、正しいものの見方や考え方、修行を続けられる者がいるだろうか、ということです。そこで、お釈迦様は「私の教えが遠く及ばなくなった時、阿弥陀仏の救いが必要になる時がやってくる」とお弟子様に阿弥陀仏の存在をお伝えになったのです。同時に、極楽浄土の存在も示されたのです。
2500年前にお釈迦様は、今の私たちの在り方を予見し、正しいものの見方や考え方、修行ができない私たちでも救ってくださる阿弥陀様と極楽浄土を明らかにしてくださったのです。目に見えないものをなかなか信じられない私たちにとって、極楽浄土は遠い存在かもしれません。しかし、お釈迦様が明らかにしてくださった阿弥陀様と極楽浄土は、西の彼方に確かに存在します。あとは、私たちの信仰次第です。