こころ耕す なむあみだぶつ  2023年06月01日

 お念仏をお称えし続けることで、阿弥陀仏や極楽浄土への想いは自然と育まれていきます。阿弥陀様を想うことが増え、極楽浄土に想いを巡らすことが増えるからです。

 ご主人は毎日お念仏を称え、奥様は月参りの時だけお称えするご夫婦がいらっしゃいました。そのご夫婦は、お子さんを亡くされていました。ある時、ご主人がいらっしゃらない時、奥様からこんな話を聞いたのです。「主人は子どものことを思って、南無阿弥陀仏を称えているけれど、私はいつまで経っても悔やんでしまって自らお念仏をお称えできない」と。月参りに寄せていただきますと、ご夫婦そろって一緒に読経しお念仏をお称えくださいます。しかし、同じお念仏をお称えしてくださっていても、心のうちは違ったようです。そんな中、ご主人がお亡くなりになってしまいました。その満中陰(四十九日)の時に奥様が、「主人が亡くなってから毎日お念仏をお称えしました。主人のことを思ってお称えしましたが、子どものことも思い出したりもしました。主人はお念仏称えていたから、極楽に生まれているんですよね。子どもと会えているんですよね。」と話されました。その後、奥様も毎日お仏壇の前でお念仏をお称しておられるそうです。

 土壌が固くても作物は育ちますが、柔らかいとより一層育ちがいいそうです。お念仏をお称えしていくと、固まった心が少しずつ柔らかくなり、この奥様のように阿弥陀様や極楽浄土への想いがより一層育まれるのです。

合掌