元NHKキャスター池上彰氏はご自身の著書で「知らない、わからないから不安になる」と書かれています。「視聴者にわかるように丁寧に話すことが大切だ」とも書かれていました。確かに、知らない、わからないことがあれば不安になります。
法然上人は平安末期から鎌倉初期にかけてご活躍されました。この時代は乱世の時代です。争いが多く戦死が絶えない時代でした。また、医療が発達していない分、軽い病でも命を落とすことも多かったことでしょう。簡単に消えゆく命。「死んだらどうなるのか」「いい所にいけるのか」とわからないことで不安になったことでしょう。法然上人はそんな方々に「大丈夫ですよ。阿弥陀様がいらっしゃいます」と声をかけられました。「お念仏に励めば誰もが極楽に生まれられる」とみ教えをお説きくださったのです。上人はおおらかだったと言います。み教えをお説きくださった上人に人柄も相まって、人々は集いました。そして、「お念仏に励めば極楽に生まれられるのだ」と往き先が明確になり、不安は安心へと変わっていったのです。お念仏の輪が広がり、人々の心は和やかになっていったのです。そのみ教えが800年以上経った今でも引き継がれているのです。それが浄土宗です。
現代でも「死んだらどうなるのか」「いい所にいけるのか」と不安もあるでしょう。どうぞご安心ください。阿弥陀様はお念仏に励めば、どなたでも分け隔てなく極楽浄土へと救ってくださいます。
合掌