空一面に雲が覆うと、子供の頃は、「太陽が出ていない」と思っていました。ですが、太陽が出ない日はありません。どんな時でも、太陽は登り、沈んでいくのです。それを雲が隠してしまっているだけなのですね。
「みんな違ってみんないい」この一節は金子みすゞさんの「わたしと小鳥とすずと」という詩の最後の一節です。私には私の、小鳥には小鳥の、鈴には鈴の良い所があって、それぞれが別々で、それでいてみんなよいと綴られています。
私たちは、他者と比較して区別しがちです。ですが、阿弥陀さまはそんな私たちを平等に極楽へと救ってくださいます。男女の別、身分の高低に関わらず、善人・悪人の区別もなく、ただ心を込めてお念仏申す者を極楽へと救ってくださるのです。
雨上がりの水たまり。大きな水たまりや小さな水たまり、細長いものや形がいびつなものまであります。ですが、太陽の光は、その一つ一つに光を照らします。阿弥陀さまは、計り知れないほどの光を持つ仏さま「無量光仏(むりょうこうぶつ)」と呼ばれます。それは、阿弥陀さまが放つ救いのお光は、どんな場所でもどんな人でも照らすことができるからです。そのお光で、私たちをいつも照らしてくださるのです。
私たちの信仰も、心に雲を覆わせてしまいお念仏を申さなければ、阿弥陀さまの救いの光は当たりません。どんな私たちでも、心を込めてお念仏申せば、阿弥陀さまは、いつでも・どこでも・だれでもお光を当ててくださるのです。
合掌