ひとつひとついのち輝く  2019年06月04日

 最近長男が反抗期を迎えています。何か私が言うたびに鬱陶しそうな顔をします。そのたびに少しイラっとするのですが、私もそうだったと飲み込みます。私の感情に任せて抑え込むのは親の傲慢さとも思いますので。

 この地球上に75億人が共存しています。人種の違いや習慣の違い、思考の違いもあります。いわば、75億通りの命の在り方があるのです。しかしながら、私たちは、自分と考え方が違うと「あの人の考え方はおかしい」と言います。例えば、ある国では、膝を立てて食事するのが普通だと言います。むしろ女性の立膝は正式な座り方なのだそうです。ですが、日本では、膝を立てて食事をすると不作法だとなります。また、親子や兄弟でも、同じ環境にいながらでも考え方や習慣は変わってきます。同じ顔の双子であっても、性格が全然違うことは珍しくないはずです。
 私たちは、自分の主観や価値観で、他者と比較します。それが、差別や区別となってくるでしょう。でも実際は、価値観などは違っていても当然です。各々一長一短がある。だからこそ、それぞれに尊い輝きがあるのだと思います。そんな違いを頭から否定せず、区別せず、一長一短を受け入れられる自分でありたいと思います。

 阿弥陀仏という仏さまは、区別なく差別なく見守ってくださる仏さまです。生い立ちや性格や身分などは考慮しません。お念仏を称える私たちに分け隔てなく、お見守りくださり、救ってくださる仏さまです。
合掌