よく聞き考え 自分のものに  2020年02月29日

 私は整理整頓が苦手です。わかっているのについ疎かになってしまいます。妻に「片付けや」と言われるのですが、「わかっている」と反発します。しかし、探し物が出た時「あぁ片付けなければ」と妻の言葉を反芻するのです。

 私たち浄土宗の法話(お話)は、時として、お聞きくださる方々にとって聞き苦しいことがあるかと思います。この世の世間的な話ではなく、あの世、極楽浄土の話をするからです。これを出世間(しゅっせけん)と言います。亡くなった後の話ではなく、今の話を聞きたいと思われる方が多いかもしれません。私たちの時間には、過去があり現在があって未来があります。同じように、私たちの生涯には、前世があり現世があり後世があるのです。つまり、この生涯を終えた後、次の生涯があるのです。子ども達や後輩達に、将来を案じて助言すると思います。それは将来のためにも今が大切だと伝えると思います。同じように、私たち僧侶も後世を案じて今の話をするのです。今どのように毎日を送り過ごしていくのか。その最たるものがお念仏「南無阿弥陀仏」をお称えすることです。お念仏を称える者を必ず極楽浄土に生れさせるという阿弥陀さまのお誓いだからです。

 出世間のお話は、聞き苦しいかもしれません。ですが、必ず終わりはやってきます。そのための準備も大切ではないでしょうか。たとえ聞き苦しくても、お聞きくださり考えてくださり、そしてお念仏を自分のものにしていただきたいのです。

合掌