咲いて 誇らず  2022年04月01日

 私たちは自然と他者と比べがちです。優れている、劣っている、そういう感覚を持ってしまうことがあります。しかし、仏様から見ればみんな同じ。愚かな人間なのです。その中で驕ることなく謙虚な姿勢を保つことが大切なのだと思います。

 今年は春の高校選抜野球が無事に行われました。見事優勝した大阪桐蔭高校の西谷浩一監督は、今大会での準々決勝で甲子園59勝目をあげ歴代2位の勝利数となったそうです。監督の勝利後に「私の勝利数という感覚はありません。(中略)歴代のOB達が積み重ねてくれた数字だと思っておりますので、感謝しています」とコメントとしておられます。
7度の甲子園優勝を果たし、名実ともに甲子園を代表する高校の監督です。私なら少しは自慢したいものです。もしかすると、どや顔で満足してしまうかも知れません。ですが、西谷監督は驕ることなく立ち止まることなく、毎年球児たちと練習に励み、甲子園の優勝を目指して日々頑張っておられるのでしょう。だからこその名将なのだと思いました。

 高慢さを持ってしまうと心も行動も進むべき道から外れてしまいかねません。結果、我が身を滅ぼしかねないのです。浄土宗においては「高慢さを持つと極楽往生の障害となる。ですから、謙虚さが大切です」と法然上人は仰っています。私みたいな愚かな人間でも極楽という素晴らしい世界に往くことができるのだと謙虚な心でお念仏をお称えすることが一番大切なのです。