ほうれん草のおひたしを食べると、祖母を思い出します。子どもの頃苦手だった私に、祖母に「薬だと思って食べなさい」とよく言われました。皆さんは、場所や物、匂いなどで記憶がよみがえることがありますか?
あるお檀家さんがこんな話をしてくれました。 「子どもの頃、よく祖父に宗念寺のお彼岸法要に連れて行かれました。最初は嫌でねぇ…嫌々宗念寺に行ったんです。すると、祖父にしっかり手を合わせなさいと怒られて。でもその帰りに、祖父がデパートの食堂に連れて行ってくれました。お子さまランチを食べました。美味しかったですわ。それから、宗念寺の法要に行くのが楽しみになりました。ですから、お彼岸法要に行くと祖父を思い出すんです」と笑顔で話してくれました。そのお檀家さんは、幼い頃にお父様を戦争で亡くされたそうで、お父様の顔を覚えていないとのことでした。おじい様はお父様の代わりに育ててくださったそうです。お父様の供養のためにお彼岸法要に参詣し、その後のランチでおじい様との思い出を作られたのでしょう。そのお檀家さんも90歳を超えられました。今もお念仏をお称えしてくださっています。ご両親や祖父母を思い出しながら。
皆さんにも必ず亡き大切な方々の思い出があると思います。忙しい日々にその思い出が奥底に沈んでしまっているかもしれません。このお彼岸の時期に、極楽にいらっしゃる方々に思いを馳せながらお念仏をお称えしましょう。
合掌