少欲知足  2016年11月01日

 携帯電話の機能が驚くほど進んでいます。もう今は電話をするだけが携帯ではありません。私は買い換えの時、「以前より機能が増えている」と思い換えましたが、実際は、多くの機能を使っていません。どうやら私には不要の機能でした。

 仏教には「少欲知足(しょうよくちそく)」という精神があります。「欲を少なくして、足ることを知る」ということです。私たちは、幸せや豊かさを求めながら毎日を送っています。しかし、求めすぎることで、私たちは悩み苦しむことになっているのです。
 「お菓子ちょうだい」と言う子どもに「さっき食べたでしょ」と言うと、願いが叶わず泣き出します。「欲しい欲しい」とさらに欲求は増します。このように私たちの欲求は尽きることはありません。物だけではないのです。他者や自分にも、ついつい求めすぎてしまいがちです。
それは、不足ばかりに目がいくからです。そうなると、不平不満が出て、怒りに変わったり愚かな行為をしてしまい、結果悩み苦しむことになるのです。
 私たちの欲求が無くなることはありません。ですが、少しでもその欲求を抑えることはできます。それが「少欲知足」の精神です。不足を数えず、足りることをまず知る。そうすれば、心も満たされてくるのだと思います。

 幸せや豊かさを求めすぎると、かえって苦しむことになります。不足に目をやり多くを求めすぎずに、まず「少欲知足」の精神で、何が足りているのかを見つめてはいかがでしょう。
合掌