ためらわずに  2017年02月01日

 阿弥陀さまがご修行時代「善行」を積まれました。それは限りなく長い修行生活で、果てしなく長い難行を重ねてくださいました。それは私たちを救いたいというお気持ちでためらいなどは無かったのです。

 高校生の時、通学は電車でした。帰りの電車の中私は席に座っていたのですが、ご年配の方が乗ってこられたのです。私はチラチラその方を気にしながら、『どうしようか』と悩んでいました。意を決して変わろうと思った時、前に座っていたOLさんが「おじいさんどうぞ」と席を譲ったのです。「ありがとう、ありがとう」と言って席に座られました。
善き行いはためらわず、皆さんも善い事なのに躊躇してしまうことご経験ないでしょうか。「良い人ぶりやがって」と周りの人の心の声が聞こえてきそうでためらってしまう。けれども、その瞬間を逃すと二度とその時は返ってこないのです。
 阿弥陀さまは、私たちを極楽に救いたいとお念仏をお示しくださいました。その瞬間を逃すまいと、極楽浄土から阿弥陀さまはいつでもお念仏する私たちを見守ってくださっているのです。このチャンスを逃せば二度と極楽に生まれることはできないかもしれません。私たちにとってお念仏は最たる「善行」なのです。

 私は阿弥陀さまのようにはなれません。ですが、善い行いはためらわずにしようと思えるようになりました。お念仏も同じです。私たちのこの生涯、せっかく出会えたお念仏です。ためらわずに善行を積まさせて頂きましょう。

合掌