和顔愛語  2016年06月01日

 小さいお子さんが、笑顔を見せてくれると、こちらもにっこり微笑んでしまいます。一瞬にして、自分の心が明るくなります。本当に、「微笑は最良のおくりもの」だと実感する瞬間です。

 微笑みは、相手の心を明るくするのと同時に、自分自身も明るくします。またリラックス効果もあるのだそうです。緊張や不安な時にも笑顔は効果的というわけです。ですが、私たち、四六時中、微笑んでいられるでしょうか。
 無量寿経(むりょうじゅきょう)という経典の中に、 「和顔愛語(わげんあいご)」というお言葉が出てきます。これは、「和やかな表情と愛情のこもった言葉で相手に接する」という意味ですが、わかってはいても、できないのが私たちです。何か嫌なことがあったとき、ついつい怒ってしまったり、嫌な言葉を発言してしまい、傷つけてしまって相手の笑顔を消してしまうような事もあります。この難しい精神を貫かれたお方が阿弥陀さまなのです。
 阿弥陀さまは、仏と成る前のご修行時代に、この和顔愛語のお姿で、いつも誰に対しても接しておられました。常に他人のこと一番に思ってくださっていたからです。

 私たちにも相手を思いやる心を持っています。微笑むことで相手の方や自分自身にとって最良のおくりものとなるのです。阿弥陀さまのようには遠く及ばなくとも、和顔愛語を胸に毎日を過ごしていきたいものです。
合掌